株式会社ミンテンテック

介護とテクノロジーの融合②

2025/04/28

介護とテクノロジーの融合②

 <中国での介護とテクノロジーの融合事例>
 急速な高齢化が進む中国でも、杭州、深セン、上海などを中心に介護支援ロボットの開発と実用化が急速に進められています。
 中国では、人工知能(AI)、ロボティクス、センシング技術を組み合わせた介護機器により、高齢者の生活の質を向上させる取り組みが行われています。
 その一例が、テンセントが開発した次世代生活支援ロボット「シャオウー(小五)」です。シャオウーは四足と車輪を融合した独自の構造を持ち、階段の昇降補助や段差の多い環境での移動が可能です。従来の介護支援ロボットが苦手としていた斜面や凹凸のある道にも適応できるため、介護のために住環境を大きく変更する必要がありません。
 シャオウーには、視覚・触覚データを統合した高度なAIシステムが搭載されており、利用者の動作をリアルタイムで分析します。例えば、高齢者が起き上がろうとする動きを検知し、最適なタイミングで安定したサポートを提供することが可能です。
 また、レーザーライダー(LiDAR)センサーを活用して周囲の環境を360度検知し、人や障害物を回避しながら安全に移動することができます。食事やトイレ、娯楽の場面で利用者をスムーズにエスコートするなど、日常生活を幅広くサポートする機能が備わっています。
 日本では人間の生活をサポートする技術が主流であるのに対し、中国では介護者の役割を代替するロボットが注目されています。その背景には、日本に比べて家族が介護を担う割合が高い一方で、医療資源の偏在や医師不足により家庭内での介護が難しいという課題があります。このような課題を解決する手段として、テクノロジーを融合させた介護支援ロボットが期待されています。